日本玩具博物館 - Japan Toy Musuem -

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展示・イベント案内

exhibition
館外展

三重県立みえこどもの城「のりものおもちゃ2000年ツアー」

会期
2000年7月25日(火) 2000年8月20日(日)
会場

三重県立みえこどもの城より依頼を受け、“乗り物玩具による世界の旅”をテーマにした展示に出品協力をしています。日本を出発して、アジア、オセアニア、アフリカ、ヨーロッパから北アメリカ、南アメリカへ――総数150点による楽しい企画展。パネル原稿も子どもたち向けに書きました。


のりものおもちゃツアーのはじまり・日本

のりもののおもちゃを見ながら世界をまわる旅のはじまりです。
ここに展示するのは、今から40~50年前に、日本の子どもたちが大好きだったのりものおもちゃのいろいろです。機関車、ボンネットのバス、新幹線ひかり号、オープンカーなどのおもちゃから、昔ののりものの形がわかります。お父さんお母さんには、きっとなつかしく感じられることでしょう。
東北地方で古くから作られている木製の汽車や自動車には、手作りならではのあたたかさがあふれています。


のりものおもちゃツアー・アジアを訪問

アジアの国々では、馬車や輪タクと呼ばれる素朴なのりものから、近代的な消防自動車やパトロールカー、月面車のおもちゃまで見られます。また、竹や木の枝を使って手作りされる素朴なものから、工場で大量生産される近代的なものまで、アジアは、のりものおもちゃのさまざまな種類が楽しめる地域です。
インドで作られる「ゾウのタクシー」は、ゾウがのりもののはたらきをしていることからこの展示にくわえました。


のりものおもちゃツアー・太平洋をわたる(オセアニア)

太平洋の島々でのりものといえば船です。フィジーや西サモア、またハワイで作られる船のおもちゃはちょっとふしぎな形をしています。本船と副船を何本かの腕木ががつないでいます。この船をアウトリガー・カヌーと呼びますが、荒れた海でもしずまないように工夫された形です。
それから、ニュージーランドで作られた木製のりものおもちゃは、どれも木の色がとてもきれいです。


のりものおもちゃツアー・北アメリカへ

広く大きな森林をもつカナダという国では、松やカエデ、サクラやヒノキなど、さまざまな木材を使って、のりものおもちゃが作られてきました。どれも、わりあいに大きく、気持ちも大らかになるようなおもちゃです。まわりをけずって、まるく作られたものや、表面に安全のための油がぬられたものなども見られます。
アメリカやカナダのおもちゃ会社では、「子どもにとってよいおもちゃはどんなものか?」を研究(けんきゅう)しながら、おもちゃ作りがなされています。


のりものおもちゃツアー・アメリカ大陸を南へ

デザイナーが形を考え、木や紙、時にはプラスチックなどを使って工場で生産されるアメリカ合衆国のおもちゃも楽しいのですが、南の国・メキシコやブラジル、ペルーなどで作られる素朴なおもちゃも魅力にあふれています。
飛行機もオープンカーもサーカスの馬車もヘリコプターも、南アメリカのおもちゃには、ひとつとして同じ形はなく、色彩も豊かです。まるで、お父さんがわが子のために作ったおもちゃのようなあたたかさが感じられます。


のりものおもちゃツアー・アフリカを訪問

最近のアフリカののりものおもちゃには、ブリキや針金を使ったものが目立ちます。ブルキナファソやマリという国の飛行機や自動車のおもちゃをよくみると、ブリキのなかにいろいろな文字が書かれていて、このブリキがもとは缶詰(かんづめ)などに使われていたものだとわかります。いらなくなった材料を楽しいおもちゃに作りかえるアフリカの国々の知恵に、わたしたちは学ばなければなりません。伝統的な方法で作られる木製おもちゃの中では、ブルキナファソの飛行機やナイジェリアのバイクが見どころです。


のりものおもちゃツアー・南ヨーロッパから中部ヨーロッパへ

ヨーロッパのおもちゃ王国・ドイツをはじめ、スイス、フランス、イタリア、スペインの美しいのりものおもちゃのいろいろを展示しています。この地域のおもちゃ会社の多くは、会社の中に幼稚園や保育園などの施設をもち、作られたおもちゃを子どもたちに遊ばせてみたあと、よいものだけを製品化しています。形のやわらかさや色の美しさはもちろん、重さや手ざわり、安全性、せいけつであること、じょうぶであることなどに注意をはらったおもちゃ作りがなされているのです。


のりものおもちゃツアー・東ヨーロッパから北ヨーロッパへ

東から北にかけてのヨーロッパ各国ののりものおもちゃは、白木のままのデザイン性が高いものが目立ちます。フィンランドやスウェーデンのおもちゃは、親から子へ、子から孫へと受けつがれ遊ばれるようにと、シンプルで、じょうぶなおもちゃ作りがめざされてきました。けれども、残念なことにこれらの国々においても、大量生産の安いプラスチックおもちゃが出まわり、ここに展示しているような木製おもちゃは、どんどん少なくなっています。
さて、ヨーロッパののりものおもちゃには、工事現場などで作業をするのりものの種類が多く、子ども達のはたらく車に対するねづよい人気をあらわしています。


7月24日、尾崎学芸員がこどもの城へお邪魔し、展示作業をご一緒しました。こどもの城スタッフの方々による温かい手作りパネルも魅力的で、夏休みの来場者たちを喜ばせることでしょう。

アメリカがっしゅうこくのれっしゃのおもちゃ

 会期=7月25日~8月20日
 会場=三重県立みえこどもの城(三重県松阪市)
 主催=三重県立みえこどもの城
 出品展示協力=日本玩具博物館

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◆2000年の館外展  
富山県こどもみらい館「子育ての祈りと願い―伝承玩具展」
三重県立みえこどもの城「おもちゃののりもの2000年ツアー」
韓国全州市ハンソル紙博物館「アジアの紙人形展」

◆2001年の館外展
富山県こどもみらい館「日本のままごと道具の変遷」
明石市立文化博物館「世界のおもしろ玩具展」