兵庫県立美術館分館・原田の森ギャラリー「幻の神戸人形~100年の歴史をたどる」 | 日本玩具博物館

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館外展

原田の森ギャラリー*リニューアル記念 兵庫県立美術館分館・原田の森ギャラリー「幻の神戸人形~100年の歴史をたどる」

会期
2003年7月20日(日) 2003年8月3日(日)
会場
兵庫県立美術館分館・原田の森ギャラリー

展示概要
「神戸人形」は、明治時代中頃に神戸で誕生したからくり人形です。台の上の人形が手を動かし、首をふり、真っ赤な口をあけてスイカを食べたり、酒を飲んだり・・・。その滑稽な動きと繊細な仕掛けは、神戸っ子だけでなく、神戸を訪れる外国人観光客の人気をさらいました。実際、明治から昭和初期にかけて作られた神戸人形は、アメリカやヨーロッパの各地に数多く残されています。明治時代の神戸人形は、柘植(つげ)などの材料が使用され、木肌の美しさを強調した作品が多く、「お化け人形」とか「布引人形」(観光地・布引の滝で売られていたため)などとも呼ばれていました。昭和初期になって、作品全体が黒で塗られるようになる頃には、「神戸人形」の名前が定着していきました。

お化け人形と呼ばれたころの神戸人形

戦前の神戸人形には未だ幻の作家たちが多く存在しますが、名前が分かっているのは、初代の野口百鬼堂、二代目と目される出崎房松、昭和初期に神戸人形を有名にした小田太四郎、そして戦後、数百種に及ぶ神戸人形を精力的に製作した数岡雅敦です。ここ数年間は製作者もなく廃絶状態となっていましたが、本年より日本玩具博物館(兵庫県香寺町)では、「西瓜喰い」や「酒のみ」などの復元製作を行い、次代につないでいく活動を始めています。

幻の作家たちの神戸人形

この展覧会では、日本玩具博物館が所蔵する作品を中心に、神戸人形収集家・永田清氏(神戸市在住)の出品協力を得て、約250点の資料によって、100年をこえる神戸人形の歴史をたどります。神戸人形は、土俗性のある郷土玩具とは性格が異なり、自己表現ともいえる現代的な感覚にあふれ、他に例をみない独特の工芸玩具です。本展を通して、港町・神戸が生んだからくり人形の独創的な世界をご堪能いただければ幸いです。

       

  会期=7月20日(日/祝)~8月3日(日)  ※7月22日(火)と28日(月)は休館
  ●開館時間=10:00~18:00 ※最終日は16:まで
  ●会場=原田の森ギャラリー (旧兵庫県立近代美術館東館1階)
  入場料=無料      
  ●主催=兵庫県教育委員会・(財)兵庫県芸術協会・日本玩具博物館
  出品展示協力=日本玩具博物館・永田清
  展示企画運営主幹=日本玩具博物館


<会期中の催しについて>
神戸人形の展示をよりわかりやすく楽しんでいただくために、下記のような催しを行います。

  神戸人形製作実演&トーク
    *日時=7月26日(土) 11:00~/14:00~ ※1時間30分程度    
       7月31日(木) 11:00~/14:00~ ※1時間30分程度
    *会場=原田の森ギャラリー・オープンスペース
    *参加=無料
    *講師=藤尾秀久(神戸人形製作者)&井上重義(日本玩具博物館)
「神戸人形を自分で作ってみたい」という声が数多く聞かれことから、神戸人形の製作について紹介する講座を企画しました。当日は、日本玩具博物館版・神戸人形の製作者・藤尾秀久氏を迎え、「酒のみ」と「西瓜喰い」の製作を(組み立てを中心に)実演します。それぞれの部品や製作過程を提示し、神戸人形のからくりの様子を日本玩具博物館館長の井上重義が細かく解説。神戸人形作りの難しさと楽しさ、製作上の留意点について、藤尾氏より話を聞きます。
参加者には、製作の説明書などを配布し、また希望者には、神戸人形の部品を実費お分けします。(一組=2000円)

  ギャラリー・トーク(展示解説会)
    *日時=7月20日(日)・23日(水)・24日(木)・26日(土)・27日(日)・31日(木)
       8月2日(土) ※11:00~/14:00~ 1時間程度
    *会場=原田の森ギャラリー・神戸人形展示室
    *参加=無料
    *解説者=尾崎織女(日本玩具博物館学芸員
資料と作品によって神戸人形100年の歴史をたどる今回の企画展―――展示解説会では、各時代の作品見どころについて、また作家たちの実像について、会場を巡りながらお話します。展示する作品ごとに写真を添えて、それぞれの動き方を紹介していますが、解説会の中では、主な作品を動かし、その巧妙なからくりを実際にご覧いただきます。

  
  からくりおもちゃ教室【江戸のきこり人形】
    *日時=7月25日(金) 13:30~ ※1時間30分程度
    *会場=原田の森ギャラリー・オープンスペース
    *参加=申込制・先着30組(小学生対象:親子での参加歓迎)  
    *参加費=500円
    *指導=井上重義(日本玩具博物館館長)
神戸人形製作には、木工用の設備や道具を必要とし、またある部分には高度な技術を要求するため、その場で簡単に手作りというのはむずかしいものです。このおもちゃ教室は、神戸人形の動の基礎となる「からくり」をテーマに、子ども達と楽しく作れる「きこり人形を取り上げます。木こり人形は、江戸時代に人気のあった木製玩具ですが、厚紙や割り箸など、身近にある材料を使って製作するため、家庭で、また同じものを手作りすることができます。
つまみをひくと、きこり人形がキュッキュッ、キュッキュッとノコギリを動かし、一生懸命丸太を挽く仕草をします。上半身と手の動きがリアルで、作った後は楽しく遊べます。


<後記>
大好評をいただいて終了いたしました!
展示会場の様子を画像でご紹介します。(8月4日記)

宝石のように輝く照明が入った展示ケース――お化けたちが輝く
神戸人形実演&トークの様子/からくりおもちゃ教室の様子
いつも賑やかだったギャラリートークの様子


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◆2002年の館外展
東京都江戸東京博物館「こどもの世界展」
鳥取県夢みなとタワー・ギャラリー「世界の人形展」
福岡県青少年科学館「世界のおもちゃ・大集合」展
小野市立好古館「おもちゃでふりかえる昭和時代」
富山県こどもみらい館「世界をめぐる鉄道おもちゃの旅」
富山県こどもみらい館「世界の玩具展」
神戸市立青少年科学館「おどろき!からくりおもちゃの世界」
園部文化博物館「おもちゃ箱 明治・大正・昭和・平成」
文化フォーラム春日井「木のおもちゃ魅力展」
静岡グランシップ「アジアンワールド イン グランシップ」
行田市郷土博物館「玩具と子どもの世界

◆2003年の館外展
和銅博物館「昭和、心に残るおもちゃたち」
富山県こどもみらい館「世界の鳥の玩具展」
兵庫県立美術館分館・原田の森ギャラリー「幻の神戸人形展」
生野書院「おもちゃの昭和史」
豊田市民芸館「ちりめん細工・伝承の布遊び」

◆2004年の館外展
アサヒビール大山崎山荘美術館「動物の玩具のみる色とかたち」
村岡民俗資料館まほろば「世界の木のおもちゃ展」
富山県こどもみらい館「日本と世界のからくり玩具展」
兵庫県公館「兵庫の郷土玩具とちりめん細工」
富山県こどもみらい館「世界の人形展」