日本玩具博物館 - Japan Toy Musuem -

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今月のおもちゃ Toys of this month

2006年3月

「柳川のさげもん」

  • 昭和30年代
  • 福岡県柳川市/布(木綿・縮緬など)・絹糸・麦わら・折り紙
水郷沿いの加藤飴屋の明治生まれの老婦人に作っていただいた作品
柳川出身で神戸在住の方から寄贈いただいた作品

  雛祭りに雛段の周りに飾る、吊るし飾りが人気です。輪から下げた糸にちりめん細工や糸鞠などを吊るして飾るのですが、伊豆の稲取では「つるし飾り」、福岡の柳川では「さげもん」と呼ばれています。雛めぐりが流行する中で両地ともに脚光を浴び、大勢の観光客でにぎわっています。しかし両地とも10年ほど前までは吊るし飾りは忘れられた存在でした。それが人気を呼んだのは、和ものやちりめん細工ブームの影響と、吊るし飾りの持つ華やかさを町おこしに結び付けたのが成功したのでしょう。

 一昨年の春、当館スタッフは雛祭りシーズンに柳川を訪ねました。水郷の町は豪華で美しいさげもんで埋め尽くされ、街は見物の人々で賑わっていました。しかし最近の作品ばかりが目立ち、古いさげもんと出会うことは稀でした。

 当館所蔵の柳川のさげもんは昭和61年に同地を訪れた際に、水郷沿いの加藤飴屋の明治生まれの老婦人に作っていただいた作品と同地出身で神戸在住の方から寄贈いただいた今から50年前の昭和30年頃の作品です。50年前の作品は、ちりめん細工、折り紙、麦わらの傘などを吊るし、作品の間の糸には麦わらを通した素朴なものです。同地方のつるし飾りを考えるうえでは貴重な資料と考えられます。4月11日まで5号館で展示しています。