「クルミの中の赤ん坊」 | 日本玩具博物館

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今月のおもちゃ

Toys of this month
2015年12月

「クルミの中の赤ん坊」

  • 1990年代
  • ハンガリー/胡桃殻・木・布

 中部ヨーロッパではクルミの木は古くから神聖な木とされ、キリスト教の世界でも三位一体の象徴であり(実・殻・種から成ることから)、絵画においてはイエスを表すシンボルでもありました。
 また栄養価が非常に高いことから豊穣の象徴でもあり、クルミの実は冬の寒い時期の貴重な栄養源として重宝されてきました。秋に実ったクルミはその殻も秋の実りの力が宿るものとして、クリスマスの飾りなどにも使われます。
 今回ご紹介するオーナメントはハンガリーのものです。ヨーロッパにおいて身近な素材のクルミを使ったクリスマス飾りは、欧州各家庭でもよく作られています。クルミの殻をベッドに見立て、中には幼子が寝かされており、これは飼葉桶の中のイエスを表現しています。
 使われているクルミはカシグルミでしょうか。半分に割った殻の中に華やかなレースをあしらい、幼子のおくるみも赤や青や金色とクリスマスの意味合いを持たせた色が見られ、きらびやかで愛らしい印象を受けるオーナメントです。

 こちらのオーナメントは現在6号館で開催中の特別展「世界のクリスマス」にて展示中です。また12月19日(土)にはこちらのオーナメントを参考にしたクリスマス飾りクルミの中の幼子」のワークショップを開催予定です。(申込制・定員20名)