ちりめん細工「貝桶と合わせ貝」 | 日本玩具博物館

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今月のおもちゃ

Toys of this month
2014年3月

ちりめん細工「貝桶と合わせ貝」

  • 大正初期
  • 日本/縮緬・厚紙

  貝桶は、平安朝時代からの古い歴史を持つ遊び道具の合せ貝を入れる容器です。合せ貝は蛤などの2枚貝を利用した遊び道具で、蛤は左右2枚の貝殻の模様が同じであり、また他の貝殻とはかみ合わないという特性を利用して遊ばれ、貝の内側には美しい絵が描かれています。貝桶は室町後期頃から江戸時代にかけて婚礼道具の中に組いれられるようになりましたが、通常は木製で、蒔絵で源氏絵、松竹梅、鶴亀などが美しく描かれました。

 写真のちりめん細工(お細工物)の貝桶は、大正元年頃に大正天皇の即位を祝って共立女子職業専門学校教師の関与志(天保12年生れ)さんが作られ献上されたものの控えの作品です。合せ貝は4点のみです。縁者の方から寄贈を受けましたが、貝桶でちりめん細工の遺された古い作品は少なく貴重です。現在開催中「ちりめん細工とつるし飾り展」で展示中です。