今月のおもちゃ
Toys of this month
2004年11月
「ユールトムテ」と「ユールボック」
クリスマスに贈り物を届けるのは、最近ではどこの国でもサンタクロースの仕事になってしまいましたが、ひと昔のヨーロッパでは、地域によって様々な姿の贈り物配達人がいました。スウェーデンのクリスマス(=ユール)に家々をまわって贈り物を置いていくのは、かつてはユール・トムテと呼ばれる小人たちでした。
トムテは普段は家畜小屋に住む家の守りと考えられています。クリスマスには、ユール・ボック(ヤギ)のひくソリに乗って贈り物を届けてくれます。ヤギは、キリスト教が伝わる以前のスウェーデンにおいて、雷神トールの乗り物だとされていたのですが、そうしたイメージが下地になって、ヤギのひくソリが誕生したのでしょうか。トムテは、粗末な灰色の衣装、赤い帽子と赤い靴下を身につけ、木靴をはいた姿であらわされます。
写真は、一年の豊かな実りを感謝する意味を込め、麦わらを束にして作られたユール・ボックと、伝統的な姿で表されたユール・トムテの人形。現在、6号館で開催中の特別展「世界のクリスマス」の北欧のコーナーに展示しています。