「姉さま人形」 | 日本玩具博物館

日本玩具博物館 - Japan Toy Musuem -

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今月のおもちゃ

Toys of this month
2014年6月

「姉さま人形」

  • 昭和初期
  • 福島県会津若松市・島根県松江市・熊本県熊本市/紙

  姉さま人形は、縮らせた和紙で島田、丸髷、桃割れなどの婦人の髪形を真似て作り、千代紙などの衣装を着せた紙人形です。手も足もなく、顔も描かれていないものが多い。日本髪の美に重点を置いて作られ、観賞用ではなく、少女たちが日常のままごと遊びに使った人形です。江戸時代に女の子の遊びとして広く各家庭に普及し、嘉永6年(1853)の『守貞漫稿』には和紙で作る髪型の作り方が詳しく述べられています。江戸末期頃には城下町を中心に各地で商品としても売り出され、各地域毎の特色もありました。写真の姉さま人形は今から約80年も前のもので、左から会津若松、松山、熊本で売られた貴重品。顔が描かれています。いずれも当館所蔵の尾崎清次コレクションに属し、現在開催中の企画展「日本の人形遊び」で展示しています。