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blog玩具博物館のクリスマス・アドベント・その2
バルバラの麦とバルバラの枝
*12月4日は聖バルバラの祝日。南フランスには、この日、テラコッタのお皿に水を張って麦を撒き、クリスマスまでに芽吹いた数によって、 また緑の麦の伸び具合によって吉凶を占う「バルバラの麦」の風習があります。今年は近隣の農家の方から大麦を分けていただいたので、そっと願いを込めて、水床に大麦を撒きました。数日間、過ごした麦は少 しずつ根を広げ、小さな芽をもたげてきました。
*「バルバラの麦」は、クリスマス展会場の入り口に置いています。農耕カレンダーが終息する時節にあたり、農作物の実りに感謝をし、来る年の豊作を祈る――――異国の風習ですが、私たちの心にもしみ入るゆかしい営みだと思います。クリスマスまでに根を張り、綺麗な緑を育ててくれるでしょうか。
*また同じ日、ヨーロッパの各地では森に自生する花桃などの樹木から枝をとってきて花瓶に生ける「バルバラの枝」の風習も見られます。幽閉された聖バルバラが小さな部屋に挿し飾っていた桜桃が、殉教した12月4日の朝、かわいい花を咲かせたという伝説に由来するものです。クリスマスの朝、聖バルバラの祝日に切った裸木の枝に花が咲いたなら幸福が訪れる徴だといいます。今年は、井上館長に庭のプラムとサクランボの枝を切ってもらい、「バルバラの麦」の傍に置きました。去年の「バルバラの枝」は、残念ながらクリスマスに間に合いませんでした。今年は少し花芽が大きいように思えるのですが、ご来館者と一緒に花さく真冬の枝をお祝いできるでしょうか。
クリスマスのワークショップ「切り紙の星」
*聖バルバラの祝日の翌日、クリスマスのワークショップ・その2「切り紙の星」を開きました。切り紙の星は、8枚の折り紙のそれぞれに切り込みを入れて細工し、それらをつなぎ合わせるだけで思いもかけない綺麗なオーナメントになるので、ヨーロッパをはじめ、広く愛されています。
*この日は、いつもの講座室がちりめん細工教室で埋まっていたため、6号館前、庭に面したテラスを会場に使いました。一度に10人ほどしか入れないので、3回にわけ、各回、家族的な雰囲気のワークショップとなりました。12月初旬の陽光がちらちらとする温かな午後のひととき、小さな子どもからお母さま、おばあさままでがご参加され、思い思いの星飾りを窓や壁、ツリーに飾り付ける作業はとても楽しいものでした。6号館前のテラスは、今後、こんなふうに活用するのもいいかなと思います。
*この「切り紙の星」の作り方を知りたいと幾人かの方からお問い合わせなどがありましたので、簡単に手順を記したいと思います。お楽しみ下さいませ。
●準備するもの 折り紙8枚(一辺が7.5cmのもの)・定規・鉛筆・ハサミ・のり・縫い針・糸・ウッドビーズ
(学芸員・尾崎織女)
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