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blog活気が戻ってきた講座室
●野山の新緑がどんどん深さを増し、陽ざしが眩しい季節を迎えました。新型コロナウィルス感染症とのお付き合いもはや2年半近くが経過し、様子をみながら、おそるおそる、お人が集う活動が社会に戻り始めた昨今です。日本玩具博物館でも、2020年春以降、単発講座を除いて休講していたちりめん細工講座を、今月、やっと再開することができました。久しぶりに集われた当館ちりめん細工の会の皆さまの楽しそうな様子に接し、止まっていた講座室の時計が動き始めたようで、気持ちの高揚を覚えました。
●ちりめん細工講座やおもちゃ作り教室、また様々なワークショップの会場になるこのフリースペースは、普段、資料整理や展示準備の作業場として使用しています。ここ数日は、他館の企画展にご協力するため、出展資料のコンディションチェックと撮影作業、また梱包作業のための空間に早変わり。
●去る3月、2022年度の企画展のために、当館が所蔵する雛道具や日常のままごと道具などを調査したいとのご依頼があり、主だった資料をずらりと並べてお目にかけたところ、そのなかのいくつかを出展する運びとなったのです。白木の勝手道具や竈(くど)などの雛道具は、桃の節句に子どもたちが実際にままごと遊びを楽しむこともあり、京阪地方の特色をよく具えています。
●数年前までは、当館の資料群が各地の博物館施設を動き回り、夏休み前ともなれば、他館からのいくつもの依頼が重なって、数本の企画展を同時並行で準備する年々を過ごしてきましたが、そのような大忙しを休止をして、館内の資料整理に向き合うべき時期を迎えています。―――それでも、今回、ご協力する企画展は、小さな道具たちへのアプローチが面白く、非常にステキな内容ですので、当館のままごと道具たちの新たな側面に光が当たることと楽しみに、代表選手たちにはコンディションを整えて出張してもらおうと思っています。主催館の情報が公開されましたら、こちらのホームページでもご案内させていただきますので、どうぞ、お楽しみに!
●「今月のおもちゃ・6月」では、イタリアのままごと道具を取り上げていますので、合わせてご覧ください。
(学芸員・尾崎織女)
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