マリオンちゃんが歌ってくれたピニャータを割るときの歌~メキシコと中南米の民芸玩具展より | 日本玩具博物館

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学芸室から 2023.09.06

マリオンちゃんが歌ってくれたピニャータを割るときの歌~メキシコと中南米の民芸玩具展より

去る8月20日、阿見涼子さん(版画家・Mexico T Project主宰/香寺町出身で現在は岡山在住)をお迎えして、メキシコのビンゴゲーム「ロテリア」を楽しむワークショップを開催いたしました。

「ロテリア(Lotería)」は、スペイン語で宝くじを意味する言葉。ビンゴゲームに類似したメキシコのカードゲームです。なんともシュールでユニークな54の絵柄が、名前とともに読み札となるカードに描かれており、プレイヤーは、16のマス目に、その独特の絵を無作為に配したタブラ(tabla/幾枚もあります)を1枚選んで席に着き、ゲームが始まります。読み手はシャッフルした手元のカードを順番に読み上げ、プレイヤーたちは、それぞれのタブラのなかに、読み手が示したカードと同じ絵柄があったときに、そのマス目に瓶の王冠やうずら豆や小石を置いていきます。タブラの縦、横、斜め、あるいはすべてのマス目に王冠が置かれたら「ロテリア!」と声をあげて勝者となります。そのルールはあらかじめ、決めて置かなくてはなりません。

このロテリアの絵柄は、玩具のなかにも繰り返し登場しており、たとえば、「はしごくだり」のコマ(人形)や、にぎやかに音を立てるマトラカにも、ロテリアの絵柄が見られます。

8月20日の6号館前のテラスでは、阿見さんご夫妻がロテリアの絵柄をTシャツや布バックにシルクスクリーン印刷するワークショップを、展示室のなかでは、阿見さんのご友人で、メキシコ人サイエンティストのマリソルさんとマリオンちゃんが四国からお越しくださって、本場のロテリアゲームを教えてくださいました。この日は夏休みとあって、次々に来場される親子連れの来館者の皆さんは、マリソルさんの美しいスペイン語とともにロテリアゲームを楽しみました。ロテリアの絵柄を題材に、阿見さんにメキシコの暮らしのお話を伺ったりしながら。
阿見涼子さんのワークショップの2回目は、10月14日(土)の午後に開催いたします。申し込み制となりますので、ご希望の方はお電話などでお知らせくださいませ。とても素敵なオリジナル作品が作れますよ! 詳しくはこちら

さて、研究のために来日されて1年というマリソルさん母娘には「メキシコと中南米の民芸玩具展」を心から楽しんでいただくことができ、感激でした。マリソルさんは、「メキシコでも、祖父母の代にはこのような民芸玩具が徐々に失われ、今では、世界共通の近代玩具や電子ゲームが子どもたちの周囲を覆っている」としみじみとした口調で話されます。
小学生のマリオンちゃんは、展示中の「ピニャータ」に目をとめて、ピニャータを割るときの歌を歌ってくれました。メキシコのクリスマスや子どもたちの誕生日パーティーなどには、張り子の手法で作られた星形や動物形の「ピニャータ(piñata)」がつきもの。パーティー終盤に、棒を手にした子どもたちに叩き割られてしまいます! そのとき、歌われるのがこの歌♪♪ 「皆さんにぜひ、観てもらってください」とお許しをいただきましたので、こちらでもご案内させていただきます。マリソルさん、マリオンちゃん、ありがとうございます!!
ピニャータを割るときの歌 →こちら

白馬のピニャータとQRコード「ピニャータを割る歌」

「メキシコと中南米の民芸玩具展」会場でも、QRコードを読み込んでいただき、白馬のピニャータの前で、マリオンちゃんの歌をお聴きいただけます。また、いくつかの展示品の解説について、スタッフがQRコードを付けてくれましたので、一歩、踏み込んで(いや、読み込んで?)楽しんでいただけるのではないかと思います。

(学芸員・尾崎織女)

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