南国の展覧会 ~みやざき歴史文化館「音とあそぶ」展~    | 日本玩具博物館

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学芸室から 2009.07.24

南国の展覧会 ~みやざき歴史文化館「音とあそぶ」展~   

播州の梅雨明けはまだですが、いよいよ夏休みが始まりました。1号館の「神戸人形と世界のからくり玩具」展は、おもちゃ博物館らしく楽しい展示で、皆さんにご好評をいただいております。特に「神戸人形」の奇抜なデザインを懐かしがられる神戸周辺からの来館者や、意表をつかれる動きに目を輝かせる子どもたちで、会場には朗らかな笑い声が絶えません。

7月上旬は、群馬県高崎の日本絹の里で開催された「子どもの晴れ着とちりめん細工展」の撤収作業に出かけ、また、みやざき歴史文化館(宮崎市芳士・蓮ヶ池公園内)の「音とあそぶ~世界の発音玩具と民族楽器~」(7月11日~9月13日)の展示作業に出かけていました。

宮崎空港

宮崎では初めての発音玩具展は、木や土、竹や葦やサボテン、瓢箪や木の実や種、蜜蝋や松脂、亀の甲羅や馬の毛、山羊や牛の皮、蛇の皮…と自然素材で作られた素朴な資料ばかりが並びましたので、全体にアースカラーで心地よいムードです。

中央アイキャッチコーナーの展示

日本玩具博物館の発音玩具と民族楽器コレクションの中から350点を選び、発音の行為によって分類展示したものですが、がらがら(Rattle)、でんでん太鼓(Rattle& Drum)、ぶんぶんゴマ(Buzzer)、ラトルウォッチ(Rattle-Watch or Devil-Clapper)、うなり木(Bullroarer)など、世界に普遍的に見られる「鳴り物(Noisemaker)」の数々を紹介するコーナーを広くとりました。

音とあそぶコーナー

それらの鳴り物は、獣除けであったり、雨乞いであったり、また病気の治療であったり…と、かつては呪術的な場面にも登場した道具で、子どもの世界に受け継がれた今も、雑音性に満ちた音の中に魔を除ける強い力がこもっていると考えられたりするものです。単純素朴な玩具ですが、来場された方々は、見慣れて身近にあるものが、少しずつ形を変えて世界各地に分布していることに驚きの声をあげておられました。

会場内には、メキシコやグアテマラのバンブー・スリットゴング(竹太鼓)や、マリのジャンベ(ゴブレット型片面太鼓)、インドのドーワクドリワリ(両面太鼓)、インドネシアのアンクルン(竹ベル)、ベトナムのドラムセット、ペルーのレインスティック(雨の棒)など、自由に鳴らして遊べるコーナーも設けています。梅雨の頃から1~2度しか雨を見ていないという宮崎、オープンの日には、「雨を降らせたい!」といって、小さな子どもたちがレインスティックを振りまわし、会場にザァザァと雨の音が響いていました。

世界のでんでん太鼓の展示コーナー

世界の音と遊べる楽しい展示会場へ、宮崎の方々には是非とも、足をお運び下さい。
  http://www.city.miyazaki.miyazaki.jp/cul/rekisi/miyazakirekisi/index.html

2階吹き抜けより企画展示室をのぞむ


私が記念講演会のために再訪した18日の午後、宮崎八幡宮の「夏越祭」が始まっていました。団尻、子供御輿、女御輿、本御輿は、気温36℃の日が翳り始めた夕刻から繁華街を練り歩き、夜の帳がおりる頃には県庁前広場のお旅所へ到着。古風な囃子歌にチンチンと鳴る鉦の音、子どもたちの黄色くかわいい掛け声に応ずるのは地に響く野太い大人の男声。


旧暦6月晦日であれば、晩夏の祭であるはずが、近年の夏越は、本格的な夏を前にした健康祈願を意味するものでしょうか。お旅所では、数頭の宮小獅子が祭場を清める舞を賑やかに舞い、私にとっては初めての宮崎の祭、その夏らしい音色に感応する良宵でした。

(学芸員・尾崎織女)

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