日本玩具博物館 - Japan Toy Musuem -

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学芸室から 2019.04.02

平成おもちゃ文化史

令月4月1日、氣淑く風和ぐ館の庭、春の香り漂う中、新元号「令和(れいわ)」が発表されました。新しい発表というのは、希望や楽しみ、時には不安ももたらすように思いますが、元号というのはまた不思議な感覚でした。過ぎていく世を振り返り、新しい時代と未来を見据えて進む必要があるように感じて、身が引き締まる思いもします。

<ブログ「館長室から」2019年3月13日にも紹介がありましたように、1号館では、「平成おもちゃ文化史」が始まっています。玩具を通して「平成」を振り返ってみようという試みです。遊びの道具でありながら、玩具には、その造形や技術、テーマにもその時々の社会の流行や文化が反映され、時代の精神のようなものが表現されています。社会の動きの中でどのような玩具が登場してきたのか、昭和の後期(50~60年代/1970~1980)から、平成初期(1989~1997)、平成10年代(1998~2007)、平成20年代(2008~2018)とコーナーを、10年ごとに区切り、各年代に流行した玩具を、年代順に追ってご紹介しています。また、小遣いを握りしめた子どもたちが、世代をこえて夢中になる玩具にも注目し、「平成の駄菓子屋文化」「おまけ」、「メンコ」、「伝承玩具」の歴史もご紹介しています。元号が変わるからと言って、これまで築かれてきた社会や文化の有り様が一変するわけではありませんので、今回の展示でもあえて、「昭和」の世界を登場させています。玩具文化の連続した側面と同時に、新たな側面を発見していただきたいと思います。


玩具の平成時代は、マンガ・アニメ・テレビ・ゲームから誕生した玩具、日進月歩の新技術が組み込まれた玩具が浸透するとともに、伝承玩具のリバイバルや木製玩具およびアナログ玩具への再注目がなされました。、さらにそのようななかで、玩具が子どもだけでなく、高校生や大人も楽しむものという価値観も生まれました。多種多様(数億種類の玩具が登場したとも言われています@@)な平成の玩具は、同時代の資料ということもあり、館のコレクションとしても決して多いわけではありませんが、平成を彩った流行玩具約350点から、移り変わりを楽しんでいただけましたら幸いです。

・「アンパンマンのおもちゃがある!」
・「好きなポケモンがおらん!」
・「これ知ってる!」
・「これはぼくが子どものときに流行ってたな」と言う男の子は10歳ぐらい(笑)
・「これお父さんのときのおもちゃやで~懐かしいな~」
・「あんたもこのカード何枚も持っとったやん!」
・60代ぐらいのご婦人たち「え?ひょっこりひょうたん島もおそ松くんもわたしらの子どものときやんな~」
・30代ぐらいの女性「わたしの子どもの時にも再放送されていたんですよ^^」


展示が始まって嬉しいことに、これまで多くの子どもたちは来館するやいなや、遊びのコーナーに一直線だったのが、立ち止まって展示を見てくれるようになりました。受付のすぐそばが平成20年代のコーナーということもあって、自分たちの見慣れたキャラクターや玩具に親しみを感じてくれるようです。また、親子二代三代、同世代の友人らと来館してくださった方々が、自分たちの子ども時代に遊んだことや、子育て時に買い求めた思い出話で一緒に盛り上がっている声が、事務所まで聞こえてくることもあります。
さらには、海外の来館者の方々が、合体ロボットやセーラームーン、キティちゃんを見つけて、「カワイイ!」と一緒に写真を撮っている様子も見受けられます。昭和40年代から輸出されていた日本のマンガ・アニメの人気が高まり、日本文化として広く受け入れられるようになったのも平成時代の特徴です。

まだ展示が始まって少しの時間しかたっていませんが、それでも、このような同時代の資料への来館者のみなさんの反応を拝見していると、外国の方も含め、様々な世代や国の人々が今、玩具と自分や社会、文化とのつながりをどのように感じ、思い考えているのだろうかということにあらためて興味関心がわいてきます。このような興味関心は、これからの「おもちゃ」や「遊び」の姿を考えることにもつながっていると思います。11月までと長い展示の中で、来館者のみなさんのお話もお伺いさせていただきながら、この企画展の内容を充実させ、さらに発展させていきたいと考えています。 (原田悠里)

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