日本玩具博物館 - Japan Toy Musuem -

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館長室から 2019.03.13

企画展「平成おもちゃ文化史」が始まりました。

花の季節になりました。6号館への小道の側の地表にはユキワリイチゲや寒スミレの可憐な花が咲きました。これからの季節、館内のいたるところで椿の花々が咲き、4月下旬までは、桃の花に続いて桜や利休梅の花などが次々に咲き乱れます。来館された方からは再三、館内の展示も素晴らしいが、庭の花々にも心が癒されましたと嬉しいお言葉をいただいてきました。

1号館での企画展は今年の4月で平成が終わり、5月から新年号に変わることから、平成の子供たちの心をとらえたおもちゃの数々を展示することに決め、昨年暮れからその準備に取り組んできました。そして去る3月2日から「平成おもちゃ文化史」と題して展示が始まりました。

平成初期の流行玩具

展示品は昭和50年代後半から平成末期まで、子供の心をとらえた流行玩具が中心です。330種800点もが並び、その華やかさに圧倒されます。企画を担当したのは平成に子供時代を過ごした原田悠里学芸員。素晴らしい内容の展示になりました。今年80歳を迎えた私などは、展示内容を見て、平成の子供たちはこのような玩具や人形で遊んできたのか、と驚きの連続です。それにアンパンマンやピカチュウなどが時代を超えて子供の心をとらえてきたことも知りました。

1号館に隣接する2号館は常設展示会場ですが、昭和初期から平成の初期までの流行玩具や駄菓子屋の玩具などがずらりと並びます。材質は平成時代はプラスチック製が圧倒的ですが、昭和の前半はブリキやセルロイド製、それに木や紙製品と多彩です。ブリキ製や木製の自動車や汽車の乗り物玩具が流行したのは昭和30年ごろまででしたが、そんな乗り物玩具が沢山並んでいます。

昭和30年頃のブリキ製三輪自動車

流行玩具もダッコちゃん・ペコちゃん・鉄腕アトム・鉄人28号などが並び、中高年の方は懐かしい玩具の数々に感動されると思います。

昭和40~50年代の玩具

大きさも2号館のものは総体的に小さく、1号館の展示品は大型のものが多く色彩も華やかです。そんな昭和から平成まで約100年間の玩具や人形が1号館と2号館で見ることができます。子どもから高齢者まで、年代を超えて喜んでいただける展示になりました。

6号館の展示は「雛まつり~まちの雛・ふるさとの雛」展で4月14日まで開催中です。西室には江戸時代の享保雛や古今雛、それに豪華な御殿雛など30組が並びますが、東室は5年ぶりに青森県から沖縄までの土人形や張り子製の郷土玩具など130組の雛人形を展示しました。特筆すべきは岩手県泉州・山形県鶴岡・長野県松本・兵庫県姫路・鳥取県鳥取・大分県日田など旧城下町で作られた押し絵雛を一堂に展示し、見ごたえがあると好評です。 ご来館をお待ちしています。

(館長・井上重義)

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