日本玩具博物館 - Japan Toy Musuem -

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学芸室から 2014.03.10

日本玩具博物館の三月

三寒四温の言葉通り、暖かく穏やかな日があったかと思えば、小雪がちらつく寒の頃のような日があって、気温不安定な三月です。博物館の庭では、木々が新芽を膨らませ、山茱萸や紅梅、椿や沈丁花が開花をはじめました。そんな庭へ、メジロ、エナガ、コゲラ、シジュウカラ、カワラヒワ、ジョウビタキ……小鳥たちが次々に訪れます。小鳥が好きな私は、春の花々にもまして、かわいいそれらの姿が嬉しい今日この頃です。玩具博物館は、市川の堤も近く、林に囲まれるように建っていますので、ご来館の皆さまにはこの季節、数々の小鳥たちと出合っていただけると思います。玩具博物館の庭でバードウォッチング!! 

特別展「雛まつり」の展示解説会

さて、新暦三月三日の桃の節句は過ぎましたが、恒例の雛人形展開催中の当館へは、ご家族揃って“雛まつり”にいらっゃる方々で賑やかです。日曜日に開いている展示解説会には、播磨周辺からのみならず、中国や四国、また関東地方からのご来場者もあり、展示品に見入る方々のまなざしの熱さには、人形文化への関心の高まりを感じます。このあとは3月16日、21日、30日にも14時から展示会場で解説を行いますので、時間を合わせてご来館下されば幸いです。

特別展「雛まつり」の展示解説会風景

「貝合わせ」のワークショップ

去る2月23日には、雛まつりの時期に開催してすでに恒例となった「貝合わせ」のワークショップを開きました。貴族社会で行われていた優雅な遊戯「貝合わせ(古くは貝覆い)」を体験していただこうというものです。4~5歳の小さなお子さんからおじいさま、おばあさま、そして、今回は、播磨地域の小中学校、高等学校で英語のALT(Assistant Language Teacher)を務めておられる若い先生方13名が加わられて、国際色豊かな講座となりました。あらかじめ、金色に彩色しておいたハマグリの内側に、思い思いの絵を描く真剣なひととき――小さな画面の中に花鳥風月、おめでたい模様、物語の場面、大好きなキャラクター……それぞれにとても個性的な“合わせ貝”が完成しました。
その様子を画像でご紹介します。

皆さんが描かれた合わせ貝のいろいろ

トランプの神経衰弱にも譬えられますが、貝殻の外側の形や模様を手掛かりに、蛤の蓋と実を合わせていくもので、そのルールには日本独自の思想が込められています。また来春も開催いたしますので、ご興味をもたれましたら、ぜひご参加下さいませ。

(学芸員・尾崎織女)

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