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学芸室から 2019.10.27

世界のクリスマス展「クリスマス・カレンダー」と「ヨーロッパクリスマス紀行」始まりました*

この度の台風や大雨で被災されたみなさまに心よりお見舞い申しあげます。被災地のみなさまの心身の疲労を思うと言葉になりません。甲信越、関東、東北地方はこれから寒さも厳しくなる中で、一日も早くみなさまが元の生活に戻れますように願っております。

館の庭の木々も色づき文化の秋も深まる行楽シーズン、当館も観光やツアー、校外学習などありがたいことに多くの来館者をお迎えしています。そんな中、6号館の世界のままごと展を撤収し、連日連夜1週間かけて、世界のクリスマス展が完成しました。今年で35回目となる世界のクリスマス展。世界のクリスマス展は、クリスマス飾りを通じて世界各地のクリスマス風景を描き、クリスマスを彩る造形からこの行事の意味を探る展覧会です。当館ではドイツを中心にヨーロッパ各地、アジア、アフリカ、中南米と世界各地のクリスマス資料約3000点を収蔵しています。

世界のクリスマス展2019~西室の展示風景~

今年は、初めて「クリスマス・カレンダー」というコンセプトで西側の展示室を設えました。クリスマスシーズンはクリスマスの4つ前の日曜日、アドベント(待降節)から始まります。クリスマスシーズン中にはキリスト教の聖人にまつわる祝日がたくさんありますが、ヨーロッパの子どもたちがとくに待ちわびるのは、12月6日の聖ニコラウスの祝日。ドキドキしながら聖ニコラウスからのプレゼントに期待をこめます。北半球ではだんだんと夜が長くなる中、22日の冬至にむかう太陽を、古代から人々はキャンドルや光のモチーフで元気づけてきました。いよいよクリスマスが近づき、冬枯れの中で生命力を湛える常緑のツリーには、今年の恵みへの感謝や祈りをこめたオーナメントを飾り、クリスマス当日を待ちます。25日、クリスマスを迎え、世界各地のキリスト降誕人形の中央には、飼い葉桶に眠るイエスの人形が置かれます。そしてこの日はサンタさんや各地の贈り物配達人からのプレゼントの楽しみもかかせません。25日を過ぎると、日本ではがらっとお正月の準備になりますが、クリスマスシーズンは新年を祝い、三人の博士がイエスのもとを訪れた日とされる1月6日のエピファニー(公現節)まで続きます。

12月6日聖ニコラウス・デー
冬至に向かう太陽の復活を願う「光」のモチーフ
12月25日キリスト降誕

また、今年はアドベントが始まる前、万聖節、万霊節にかかわる、メキシコの死者の日の祭礼もご紹介しています。

クリスマス・カレンダーを追っていく中で、古代の冬至祭や収穫祭につながる祈りとクリスマスを待ちわびる気持ちが込められた造形や風習の数々が各地で見られます。西室のクリスマス・カレンダーの様子は、クリスマスに向けて少しずつご紹介させていただきたいと思います。
東室は「ヨーロッパのクリスマス紀行」として南欧、東欧、ドイツ、中欧、北欧の地域色溢れるクリスマス風景をご紹介しています。ぜひ秋冬の特別展「世界のクリスマス」へお越しください。


そして今年もクリスマス展に合わせて、解説会、絵本朗読会、ワークショップ行います。

解説会・・・・・・・・・11月24日(日)・12月1日(日)・8日(日)・15日(日)・24日(火)  各回14時半~50分程度
 代表的なクリスマス飾りについて展示室を回りながら、学芸員がご案内します。光のピラミッドや、煙出し人形など、実演を交えた解説会です。

絵本朗読会・・・・・12月22日(日) ①13時30分~ ②15時~
 クリスマス飾りや人形が登場するクリスマス絵本の世界を絵本を倉主真奈さんの朗読によってご案内します。

ワークショップ「卵のサンタクロース」 (要予約)  参加費300円
 アメリカの卵型のサンタクロース、ハイチの卵のオーナメントを参考に、展示品の中からお気に入りの贈り物配達人を選んで卵の殻に絵の具で描きます。日本玩具博物館までお電話かFAXにてお申込みください。
日時・・・・・・・・・12月1日(日) 13時~ 20名程度
       12月7日(土) ①11時~②14時~各8名  

みなさまのご参加ぜひお待ちしております*^^*  

(学芸員・原田悠里)

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