日本玩具博物館 - Japan Toy Musuem -

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学芸室から 2013.07.26

本づくりのための撮影会~ままごと遊び~

学校図書館が所蔵する図書の出版で知られる文溪堂からご依頼を受けて、ただいま、日本と世界のままごと道具を集めた図鑑的な書籍『ままごと』の制作中です。世界のままごと道具はお国柄を切り口に、日本のままごと道具は生活史の移り変わりを切り口にまとめていこうと考えています。小学校中学年の子どもたちにも親しんでもらえるような構成が求められ、昔ながらのままごと遊びを再現するページを作ることになりました。

そこで、本日と明日、二日間かけて、屋外のままごと遊びと屋内のままごと遊び、その両方の撮影を行いました。

打ち合わせ中

屋外遊びでは、博物館の駐車場奥にある公園の木々の下に茣蓙を敷いて、子どもたちに草花をたくさん使ったままごと遊びを繰り広げてもらうことにしました。館の行事にいつも参加してくれる近所の結一君、咲季ちゃん、小雪姫ちゃん、香歩ちゃんに遊び手をお願いし、蓮の葉、花のつぼみ、麦藁、椿の実、カンゾウの葉、フキの葉、白山吹の実、朝顔の色水、松かさ、どんぐり、それから土や木の葉―――様々な自然物を準備して撮影に臨みました。編集者やカメラメンと絵コンテを段取りを確認し合っているものの、予想がつかないことばかり・・・。撮影の進め方について、数か月前から思い悩み、最近は夢にみるほどだったのですが、案ずるより産むが易し―――生き生きと遊ぶ4人の子どもたちに助けられて、それは楽しいシーンがどんどん撮れていきました。

木の実とお花のバースデーケーキづくり

けれども、何といっても大暑の日盛り。みんな揃って汗だくの撮影会です。―――瑞々しかった蓮の葉があっという間にくるんと萎れてしまうので、時間との勝負です。遊びの素材を館の庭や公園を走り回って次々に準備しながら、久しぶりに蝉しぐれの中で一日を過ごしました。

子どもたちが茣蓙の上でそれぞれに作った蓮の葉のプレート料理も、木の実とお花のケーキもとても美しく、しばらく見惚れてしまいました。私たちは、自然の中の遊びを通して、自然の色や形を愛し、美意識を育んでいくのだと、しみじみ・・・。

子どもたちが作った蓮の葉のプレート料理

結一君、咲季ちゃん、小雪姫ちゃん、香歩ちゃん、本当にありがとう。
屋内遊びの撮影では、結一君が楽しそうに小さな包丁を動かして、おネギ見立ての草を刻む様子が可愛らしく、また女の子たちがお母さんさながら、配膳を進める様子にカメラマンも編集者も大きな笑顔! 

ままごと道具を使った屋内遊び~ランプの家の縁側で~

  

これからたくさんの原稿書きが待っていますが、よい本を作りたいです。出版は来年2月の予定です。どうかご期待下さいませ。

(学芸員・尾崎織女)

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