日本玩具博物館 - Japan Toy Musuem -

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館長室から 2011.08.25

『ふるさと玩具図鑑』が出版されました

9月が近づくと暑さも和らぎ、ヒグラシの鳴き声が聞こえてきます。館長室の東に広がる田にも稲穂が実り、ひと足早く秋の訪れを感じます。
前号の<ブログ「館長室から」>でもお知らせしましたが平凡社から発行の『ふるさと玩具図鑑』が出版され、見本誌が届きました。9月に出版とお聞きしていたのですが正式には8月23日発行で全国の書店に並んでいると思います。表紙は岡山県・吉備津神社のこま犬と鳥取県・岩井の木地玩具の虎です。優しい感じのデザインに仕上がっており評判も良く、喜んでいます。

私が知るかぎり、全国の郷土玩具を一堂に紹介する本は1992年に婦女界出版社(現オクターブ)から『全国郷土玩具ガイド』(畑野栄三著)が全国を4地域に分けて4冊の本が出版されましたが、それ以来ではないかと思います。20年近いその間に、郷土玩具を取り巻く状況は大きく変化しました。有名な出雲の張子の虎も2009年に作者が亡くなり廃絶。茨城県ひたちなか市の那珂湊張り子は農業の傍ら達磨を中心に首振りの虎やうさぎを作られていたのですが昨年から達磨以外は作られていません。おなじみの伊勢の竹蛇も平成17年に廃絶しました。そんな現在の状況を知るための資料にもなると思います。

この本では北海道から南下して各地の郷土玩具を紹介していますが、そのトップが北見のコマです。このコマはこれまでどの文献にも紹介されたことがない、知られざるコマです。今から25年前の1986年に北見市でオホーツク木のフェスティバルが開催され、当時お元気だった北海道教育大の伊藤隆一先生の紹介で招聘を受けて、フェスティバルに当館所蔵のヨーロッパの木の玩具を出品し、私も北見へ行きました。その会場で出会った木工職人さんに北見では氷の上でこま回しをして遊んだと教えられ、思い出して作ってもらったのがこのコマです。現在、このコマを作れる木工所も紹介しています。ほかにも戦前に廃絶し地元にも残るものがないと思われる貴重な仙台の姉様人形や長崎のおくんちの太鼓山なども紹介しています。

A5版オールカラーで160頁、定価1,900円(税別)です。当館のミュージアムショップでも取り扱いますが、この本に限り送料は当館負担でお送りし、ご希望の方にはサイン入り本をお届けします。電話かFAXでお申込下さい。(井上重義)

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