日本玩具博物館 - Japan Toy Musuem -

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館長室から 2011.08.07

二つの嬉しいニュース

猛暑の日が続きます。庭にはオハグロトンボが優雅に飛びかい、今年はせみが異常繁殖しているのでは、と思えるほど鳴き声が賑やかです。

今年の夏休みおもちゃ作り教室で、私が担当する7月30日の動く動物おもちゃと8月6日のクルクル回転する鳥(動物)が終わりました。どちらも定員いっぱいの盛況で、子供たちも喜んで楽しい作品の数々を作ってくれました。引き続き、江戸のからくり玩具(7・12・21日)と鳴く鶏(20日)の教室があります。ぜひ子供たちとご参加下さい。

完成した「回転する動物」を手に持って喜ぶ子ども。
参加者全員(8月6日・クルクル回転する動物)で記念撮影。

前号の「館長室から」で昨年度、地方新聞に連載された「ふるさとの玩具」が1冊の本になり平凡社から出版されるとお知らせしましたが、その編集作業が6月初旬から始まり先月末で校了になりました。新聞連載中は沖縄から北上しましたがこの度の本では北海道から南下することになり、原稿の修正や掲載した郷土玩具の現在の製作者の確認などで大変でした。しかしここ10数年来、郷土玩具についてのまとまった文献は出版されていませんので貴重な資料になると考えています。A5版約160頁、オールカラーで定価1900円です。書名は『ふるさと玩具図鑑』と決まり9月初旬に発売されます。人生最後の大仕事として1年間に亘り取り組んだ仕事が本になることに、感慨深いものがあります。

続いての嬉しいニュースは、文化庁の「ミュージアム活性化支援事業」に採択されたことです。当館は博物館相当施設に認定されているため、4月下旬に今年度実施の同事業についての募集案内が文化庁から届きました。美術館や歴史博物館が中心となった地域文化資源活用,地域連携強化,新規利用者層創出,国際交流拠点形成などの事業に対しての補助金交付で、5月16日が締め切りでした。申請を検討し、当館友の会や姫路観光コンベンションビューロー、姫路地方文化団体連合協議会など当地域の観光や文化団体の協力を得て「伝統玩具を活用したミュージアム活性化支援事業実行委員会」を結成。実行委員会として当館の特別展ポスターやリーフレットなどの製作、外国人に対する展示案内パンフレットやホームページの外国語版の整備を行うとして、姫路市教育委員会を経由して補助金の申請をしました。

2度にわたる審査があると聞きましたが、7月12日に申請が採択されたと姫路市教育委員会から嬉しい通知がありました。早速に特別展「世界の動物造形」のポスターとリーフレットの製作に取り組みポスター300枚とリーフレット5000枚が出来上がりました。姫路市と姫路市教育委員会の後援も得て、市内の公民館などにもポスターを貼っていただけることになりました。市の教育委員会との連携は合併以降はじめてで、一歩前進したと考えています。ポスターとリーフレットの製作は今年度3回分の補助をいただきますので、あとは「世界のクリスマス展」と「江戸と明治の雛人形展」を予定しています。いずれも国内では当館でないと見ることができない内容の特別展です。ポスターやリーフレットを全国の博物館などに送り、一人でも多くの来館者をお迎えできればればと願っています。

当館の特別展「世界の動物造形」のポスター

完成したポスターについて、数人の方から京都国立博物館の特別展「百獣の楽園」のポスターとよく似ていると指摘を受けました。実は国立博物館のポスターは当館にも届いており、ポスターの試作デザインが届いた時、構図もよく似て、バックも同館と同じような緑色であり、これでは真似をしたと指摘があるかも知れないとバックの色を黒くして夜のイメージにしたのです。国立博物館は収蔵品12,000件から選んだ初の動物特集で、日本で愛されてきた美術の世界に住む動物たちです。当館は所蔵の8,000点を超える世界の動物玩具の中から民族性豊かな80カ国800点を選んだもので、形や表情、色彩などを楽しんでいただきます。関西で開かれている動物をテーマにした二つのユニークな特別展。当館にもぜひご来館下さい。

(館長・井上重義)

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