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館長室から 2008.02.11

「地域文化功労者文部科学大臣表彰」祝賀会が開かれました

寒さ厳しい毎日ですが、当館の入り口の蝋梅の木に黄色の可憐な花が咲き、一足早く春の訪れを告げています。恒例の雛展も去る2日から始まりました。この連休も大勢ご来館くださり、皆さまに喜んでいただきました。今日も子どもが出口で、親に「楽しかった。また連れて来てね」と言っている姿を目にしました。私にとって、「来て良かった」といっていただけることは何よりの喜びであり、大きな励ましです。

さて「館長室から」が、前回から2ヶ月ぶりになってしまい申し訳ありません。
実はこの2ヶ月間、新年恒例の全国凧あげ祭り(1月6日)の開催や神戸そごうでの「私の針仕事展」(1月8日~14日)への出品協力と大きな出来事が続きました。
私が「地域文化功労者文部科学大臣表彰」を受賞したことは<ブログ「館長室から」2008年11月4日>でもお知らせしましたが、その祝賀会が先月19日に盛会裏に開催されました。二度とないことだと兵庫県歴史博物館端信行館長や大勢の皆さまが発起人になって下さり開催の運びとなりました。私もこれまでの活動や考えを知っていただくよい機会だと思い、現在、郷土玩具の会「雪だるま」の会報に連載中の原稿を纏める必要を感じて正月返上で取り組み、開催前日に『私の玩具遍歴』として42ページの小冊子が完成。皆さまにお渡しすることができました。収集を始めた頃、博物館を造った動機、郷土玩具の発掘、山陰の土人形の探求、世界の玩具と人形、ちりめん細工の復興、当館の今後について、私の考えを纏めました。

祝賀会は姫路のキャッスルホテルで開催されましたが、兵庫県知事、姫路市副市長、姫路市市議会議長などの他、博物館関係者、文化人、地元経済界の皆さまなど120名もの方がお集まり下さいました。収集を始めた頃にご指導頂いた元灘高校教頭の橋本武先生も95歳という高齢をおしてご出席くださり、長崎県立博物館館長で日本ミュージアムマネージメント学会会長の大堀哲先生、東京大学大学院鈴木眞理准教授、文化環境研究所高橋信裕所長など、遠方からも多数ご出席を賜り、皆さまから示唆にとんだ身に余るお言葉をいただき、生涯忘れることのない記念すべき日になりました。

祝賀会会場の風景
郷土玩具への道を指南いただいた橋本武先生と

私は24歳のときから45年間、評価されずに消えゆく子どもや女性の文化遺産を集め、光を当てる仕事に取り組んできました。幸いにも、博物館として成功したと高い評価をされるまでになりましたが、収蔵施設の問題や経営面での将来的な不安など、いくつもの課題が残されています。私もこの1月で69歳を迎えましたが、残る人生をそれら課題に取り組むことを心に誓いました。
皆様のご指導とご支援を、今後ともどうぞよろしくお願い申しあげる次第です。

(館長・井上重義)

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