日本玩具博物館 - Japan Toy Musuem -

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館長室から 2006.10.18

「世界クリスマス紀行」展が始まります

今月21日(土)から開催の「世界のクリスマス紀行」展の準備が完了し、一足早く来館者の皆様にご覧いただいています。「素晴らしい展示ですね」と来館者の感動の言葉をきくと、大変だった展示換えの疲れも癒されます。今回の展示作業も、「世界の鳥の造形」展が終了した10日の閉館後、1000点にも及ぶ展示資料を撤収し、新たに1000点を超えるクリスマス資料を展示するという大変な作業でした。6号館の展示ケースの総延長は約30m。私を含めた学芸関係者4名と協力者2名が尾崎学芸員の指揮の下、連日深夜近くに及ぶ作業を続けました。14日にはほぼ完成。15日の日曜日には大勢の皆様が一足早くクリスマス展を楽しんで下さいました。
世界のクリスマス展を始めた1985年頃は、コレクションは約350点。それが現在は3000点を超え、展示品の選定に時間がかかるまでになりました。しかし、いろんな切り口での開催が可能となり、今回は、アジア、アフリカ、ヨーロッパ、アメリカと地域ごとの特色を皆様にご覧いただいていますが、初公開の展示物もあり好評です。

アルザス地方の菓子のツリー飾り(フランス)

「こんなにも、資料をどうやって集められたのですか?」と、よく尋ねられます。「資料収集にはタイミング、長い歳月の積み重ね、さらには大勢の協力者のお陰です。」と、答えています。これらは、海外から輸入する専門業者からの購入や、私たちがクリスマスシーズンに現地に出かけての収集、海外の博物館(ハンガリー、ルーマニアなど)との資料交換、さらにはここ数年、国内の協力者からドイツやフランスのクリスマスマーケットで求められた貴重な資料の寄贈を受け、それらが展示に深みを醸しています。

このところ小学生たちが、学校から大勢団体で見学にやって来ます。地元の姫路市だけでなく、加古川市、明石市、神戸市、宝塚市といった遠方からもです。嬉しいことに、団体でやってきた子供たちが、再び家族を連れて来てくれるのです。帰宅後、家族に当館での楽しい思い出を話し、それならと家族揃っての来館になるのでしょう。先日も4号館の世界の玩具常設コーナで熱心に見学している親子連れと出会い、声をかけると「先日、子供が尾上小学校から団体で来ましたが、もう一度行きたいと言うので来ました。」との答え。子供たちも体験コーナで昔の玩具や世界の玩具で遊ぶだけでなく、展示物にも心が動かされるのでしょう。楽しそうに見学する親子ずれの姿が目立ちます。

羽根の生えたサンタクロース(インドネシア)

羽根の生えたサンタクロース、パンやお菓子、ガラス、麦わらで作られた多彩なツリーの飾り、世界各国のクリスマスの飾りを見て、子供たちの目は生き生きと輝いています。きっと楽しかった玩具博物館での思い出を、胸いっぱいに詰め込んで、持ち帰ってくれることでしょう。

(館長・井上重義)

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