「子宝を運ぶコウノトリ」 | 日本玩具博物館

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今月のおもちゃ

Toys of this month
2005年6月

「子宝を運ぶコウノトリ」

  • 1980年代
  • ドイツ・エルツゲビルゲ/木

古き良きドイツの農村において、コウノトリの絵が道路に描かれていたら、くちばしが指し示す方向をたどってみて下さい。次々にコウノトリが現れ、結婚式場へと導いてくれるでしょう。

 ヨーロッパの国々に、コウノトリが赤ん坊を運んでくるという伝承があることはよく知られているところです。結婚した夫婦が子宝に恵まれますように………、そんな人々の願いがコウノトリを結婚式と結びつけたのでしょうか。

 写真は、ドイツ東部、エルツゲビルゲ地方の郷土玩具です。高さ20㎝の小さなコウノトリの背には擬人化された森の精がまたがり、身体にはたくさんの赤ん坊をくくりつけています。尾羽の部分は小箱になっていて、中からは哺乳瓶やシーツなどが出てきます。その昔は、これよりももう少し大きなものが結婚式の引き出物として使われていたそうです。

 特別展「ドイツおもちゃ紀行」(6月25日から10月11日)でご紹介します。