日本玩具博物館 - Japan Toy Musuem -

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今月のおもちゃ

Toys of this month
2019年11月

メキシコ民芸玩具「カラベラの祭壇」

  • 1980年代
  • メキシコ・オアハカ州/木・紙

💀メキシコの国民的な祭礼「死者の日/精霊の日」の時期にたつ市では、カラベラ(ガイコツ)をモチーフにした、カラフルな玩具や装飾品が多く売られます。毎年11月1日と2日に行われるこの祭礼は、マヤ・アステカの先住民が死者追悼儀礼と豊穣祭が、キリスト教の聖人や信者の霊を祀る諸聖人の日(万聖節)・万霊節と融合したものと考えられています。

💀この日に亡くなった人々の魂がこの世に戻るとされ、人々は死者のためにオフレンダと呼ばれる祭壇を作ります。祭壇には、色と香りで死者を導くとされるマリーゴールドの花とろうそく、砂糖菓子、パン、故人が好きだったものとともに、カラベラたちが並べられ、飾り付けられます。

💀当館収蔵仕掛け玩具、カラベラの祭壇は、扉を開くと棺を囲むカラベラとマリーゴールドの花が登場します。箱の横についた持ち手を回すと棺の中のカラベラが起きだしてくるという仕掛けです。この世に戻ったカラベラを先に戻ったカラベラたちが祝福しているのでしょうか。

💀死者のためにカラベラを飾る習慣は、先住民の儀礼の中にすでにあったものですが、より鮮やかでユーモラスなものになっていった背景には、メキシコの歴史によって生まれた死生観を感じることができます。 「カラベラの祭壇」は6号館で開催中の特別展「世界のクリスマス」でご紹介しています。