デジタルコレクション・7「日本の郷土凧・東日本」 | 日本玩具博物館

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企画展

日本玩具博物館*開館50周年記念* デジタルコレクション・7「日本の郷土凧・東日本」

会期
2025年1月10日(金)
会場
日本玩具博物館ホームページ WEB企画

日本の伝統的な「和凧」は、竹などの骨組みに和紙を張って糸をかけたもので、正方形、長方形、六角形、菱形などの幾何学的な形、また鳥や動物、人物、器物をかたどったものなど、様々なバリエーションをもち、日本各地の空を美しく彩ってきました。「凧」は、中国大陸より平安時代以前に伝わったものとされ、承平年間(931~38)刊の『和名類聚抄』には、「紙老鴟」の名前で登場します。“鴟”は鳶(とび)のこと。当時の凧は鳥の形だったのでしょうか。鎌倉時代には軍事に用いられることもあったようです。凧あげが貴族や武士階級から庶民層へと広まり、子どもの遊戯として、また新生児の初節句を祝うものとして定着をみるのは、和紙が普及する江戸時代後期のこと。凧あげは新春や良い風の吹く四月、また端午のころにも楽しまれるようになっていきました。

『江都二色』(北尾重政画・太田南畝狂歌/安永2・1773年刊)
に掲載された江戸の凧―雷の角凧・袖凧・鳶凧―

明治、大正、昭和と、近代化が進むなかでも、郷土色豊かな凧作りと凧あげの文化は受け継がれてきましたが、戦後の高度経済成長期を経て徐々に退潮し、1970年代にアメリカ合衆国から渡来したビニール製の凧「ゲイラカイト」の流行と入れ替わりに、和凧は日本の空から姿を消してしまいます。そのような時代に設立された当館では、和凧が表現する造形感覚や庶民の美意識、風土に根ざした手仕事の技を保存し、後世に伝えるために、日本各地の郷土凧を収集し、展示活動や「全国凧あげ祭り」などの行事開催を通して、和凧文化の継承に取り組んできました。

日本玩具博物館傍の田圃で始まった凧あげ祭り
―新春の空に「旗べらぼう」を揚げる―
姫路公園競馬場へ舞台を移して開催した全国凧あげ祭り
―達磨の角凧を揚げる―

1月公開の「デジタルコレクション・7」では、日本玩具博物館が所蔵する1,000点に及ぶ「郷土凧コレクション」のなかから、東日本の郷土凧40件を選び、地域それぞれのユニークなデザインを紹介します。新春の青空に滑空する様を想像しながらお楽しみください。

ぜひ、下記をクリックしてご覧ください。


当館では、2022年度より2年にわたって文化庁のInnovate MUSEUM事業の採択を受け、この事業の眼目のひとつである博物館資料のデジタルアーカイブ化に取り組んできました。内部資料として登録を済ませたデータベースより、テーマごとに20~40件ほどを選んで、日本玩具博物館*開館50周年記念*デジタルコレクションとして、各月10日に公開しています。

2024年7月「戦前(1930年代前半)の琉球玩具」
2024年8月①「世界のままごと道具」
2024年8月②「動きや音の楽しい郷土玩具(動画)」
2024年9月「1920年代後半の朝鮮玩具」
2024年10月「世界の仮面」
2024年11月「世界の動物玩具」
2024年12月「世界のクリスマス人形」
日本玩具博物館*開館50周年記念* デジタルコレクション