デジタルコレクション・「日本近代のままごと道具」 | 日本玩具博物館

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企画展

日本玩具博物館*開館50周年記念* デジタルコレクション・「日本近代のままごと道具」

会期
2025年3月10日(月)
会場
日本玩具博物館ホームページ WEB企画

明治時代のままごと道具をみると、まな板は木、七輪は土、皿や鉢は陶磁器、包丁は金属…と、いずれも実物と同じ素材で忠実に作られています。浮世絵の画家・山本昇雲が、明治39(1906)年に「子供あそび」という一連の作品を残していますが、そのなかの“ままごと”では、人形をおぶってまな板の上で野草を切る少女と、お膳に茶碗を並べている少女が描かれ、周囲には、かまどや七輪、すり鉢、徳利、桶などがずらりと並んでいます。百年前の子どもたちの室内でのままごと遊びの様子が伝わってくると同時に、当時の台所道具の形や人々が調理を行っている姿も浮かび上がってくるのです。


大正時代にはフライパンをはじめとする西洋の調理具やティーセットやスープ皿といった洋食器、またスプーン、フォーク、ナイフなどのカトラリーが加わります。昭和時代に入ると、外付けだった水道の蛇口が流し台の真上につけられ、戦後には土のかまどに変わってガスレンジが登場して台所仕事に効率性がもたらされます。高度経済成長を経て、長く親しまれた「ちゃぶ台」は「ダイニングテーブル」に置きかわり、最新の電化製品がままごと道具の世界に次々に登場していきます。さらに昭和後期から平成時代にかけて、外食産業の発展によって、購入できる食材や食品のバリエーションがにぎやかに広がり、私たちの食卓に大きな影響を与えました。そのような変化は子どもたちの様子を描いた絵画にも見ることができますが、ままごと道具にセットされる品々においては、近代日本の台所や食卓文化の移り変わりが手に取るように理解されます。

展示風景「日本のままごと道具の移り変わり」(一部)

2024年春から夏にかけての特別展では、「日本のままごと道具~明治・大正・昭和~」として、160件の資料を展示しましたが、3月公開の「デジタルコレクション・9」では、その中からままごと道具セットを中心に41件を選んでご紹介します。木や竹、陶磁器で作られたままごと道具から、アルミやブリキが登場し、やがてプラスチック製やステンレス製の道具へと移り変わっていく様子にも注目して、小さな食器や調理具の形をお手元でお楽しみください。簡単な解説も加えていますので、下記より、ぜひ、どうぞ。


当館では、2022年度より2年にわたって文化庁のInnovate MUSEUM事業の採択を受け、この事業の眼目のひとつである博物館資料のデジタルアーカイブ化に取り組んできました。内部資料として登録を済ませたデータベースより、テーマごとに20~40件ほどを選んで、日本玩具博物館*開館50周年記念*デジタルコレクションとして、各月10日に公開しています。

2024年7月「戦前(1930年代前半)の琉球玩具」
2024年8月①「世界のままごと道具」
2024年8月②「動きや音の楽しい郷土玩具(動画)」
2024年9月「1920年代後半の朝鮮玩具」
2024年10月「世界の仮面」
2024年11月「世界の動物玩具」
2024年12月「世界のクリスマス人形」
2025年1月「日本の郷土凧・東日本」
2025年2月「日本の郷土凧・西日本」
日本玩具博物館*開館50周年記念* デジタルコレクション