デジタルコレクション・12「郷土人形・金太郎-西日本-」 | 日本玩具博物館

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企画展

WEB企画展 デジタルコレクション・12「郷土人形・金太郎-西日本-」

会期
2026年4月13日(月)
会場
日本玩具博物館ホームページ

金太郎は、源氏の武将・源頼光の四天王となった坂田金時の幼名であるとされています。中世の御伽草子や説話、古浄瑠璃などによって坂田金時の名が知られるようになり、近世に入ると、歌舞伎や浄瑠璃をはじめとする演芸の題材として、その幼少期の姿が繰り返し語られます。――すなわち、金太郎は相模国の足柄山で山姥の子として生まれ育った自然児で、熊、鹿、猿などと相撲を好む怪力の持ち主。一方、そのイメージが浮世絵などでも繰り返し描かれることで、剛健な子どもの象徴ともなり、広く庶民層に親しまれるキャラクターへと成長していきました。さらに、江戸中期から後期には、端午の節句の人形として、金太郎が全国各地で作られ始めます。

ふるさとの郷土人形・金太郎の表情いろいろ

日本各地の郷土人形のなかの金太郎は、血色がよくはちきれるような身体と力強く優しい表情で造形されます。そこには子どもの健やかな成長への願いが託され、ときに全身が赤い表現には、流行を繰り返し、子どもを襲い続けた疱瘡(ほうそう=痘瘡/天然痘)除けのまじないという意味が込められていました。赤には疱瘡神をもてなし、つつがなく退散させる霊力がこもっていると考えられていたからです。

京都・伏見の土人形、金太郎のいろいろ

日本各地に花開いた郷土人形の中心にあったのは、京都・伏見の作品群です。直接的、間接的に伏見の影響を受けていない産地がないほどに伏見土人形の存在は大きなものでした。たとえば、伏見の土人形から雌型を作り、地元の粘土を使って型抜きで複製されることで全国へと土人形作りが広まっていきました。江戸後期の農学者・大蔵永常は、『広益国産考』(1842-59)において、農家の副業として(すでに各地で行われていたことではありましたが)、伏見人形の複製を推奨し、挿絵入りで詳しく作り方を指南しています。

釣鐘担ぎ金太郎 左から伏見土人形(京都府京都市)・宮ノ峡土人形(広島県三次市)・松江土人形(島根県松江市)
松引き金太郎 左から伏見土人形(京都府京都市)・葛畑土人形(兵庫県養父市)・宮ノ峡土人形(広島県三次市)

デジタルコレクション・12と13では、伏見土人形を中心として全国に展開した郷土人形のなかから金太郎をとりあげ、熊と金太郎、鯉と金太郎、松や竹と金太郎、米俵や釣鐘と金太郎など、動物や植物、器物との組み合わせによって、金太郎の力強さと剛健さを表現した作品の数々をご紹介します。まずは、伏見をはじめとして、近畿地方、中国地方、九州地方各地の金太郎をご覧いただき、イメージの複製と各地への拡がりをご確認ください。伏見の影響下で作られ始めた産地が多いとはいえ、いずれの金太郎も野趣にあふれ、印象深いものばかり。地域それぞれの豊かな特徴をもっています。祖先の愛した健康な子ども像ともいえる各地の造形をお手元でお楽しみください。


当館では、2022年度より2年にわたって文化庁のInnovate MUSEUM事業の採択を受け、この事業の眼目のひとつである博物館資料のデジタルアーカイブ化に取り組んできました。内部資料として登録を済ませたデータベースより、テーマごとに20~40件ほどを選んで、日本玩具博物館*開館50周年記念*デジタルコレクションとして、2025年3月まで、各月10日に公開しています。

2024年7月「戦前(1930年代前半)の琉球玩具」
2024年8月①「世界のままごと道具」
2024年8月②「動きや音の楽しい郷土玩具(動画)」
2024年9月「1920年代後半の朝鮮玩具」
2024年10月「世界の仮面」
2024年11月「世界の動物玩具」
2024年12月「世界のクリスマス人形」
2025年1月「日本の郷土凧・東日本」
2025年2月「日本の郷土凧・西日本」
2025年3月「日本近代のままごと道具」
日本玩具博物館*開館50周年記念* デジタルコレクション