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blogなつかしの人形展オープン。
■4号館から6号館への小道の東側に、春の訪れを告げる白い可憐なユキワリイチゲの花が咲きました。椿の花も庭のあちこちに咲き、春の到来を告げています。
さて3月3日は雛祭りの日として知られていますが、今も地方に行けば、雛祭りは旧暦の3月3日に近い、ひと月遅れの4月3日に雛人形を飾り、女児の健やかな成長を祝うところが多いのです。当館がある播州地方もそうです。3月3日だと桃の花も咲いていないという季節感も大きく影響していると思います。当館での雛人形の展示も例年、2月初旬から4月初旬までの約2ヶ月間。今年は4月9日までです。
■雛人形の展示は現在、全国各地で町おこしの一環として地域あげて開催されるところが増え、本当にいたるところで雛の展示が行われるようになりました。そして集めた雛人形をピラミットのように積み上げ、見せ方を売りにする地域や施設も増えています。
■そんな時代だけに、当館が心がけているのは、雛人形の時代による変遷や江戸(東京)や京都・大阪で作られた雛人形を対比して展示し、その違いを認識いただき、さらに三人官女には年齢の違いがあることの説明や、段飾りや御殿飾りなどについての解説もあります。ご覧になれば雛人形の歴史やその特徴などがよく理解できる展示になっています。さらに展示の雛人形がそれぞれの時代を象徴する質の高いものです。口コミで広がっているのでしょうか、来館者は関東などからもあり、そしてこんな素晴らしい雛展は初めてです。「来て良かった」と嬉しいお言葉を再三いただきます。
■さらに本日から、1号館で春の企画展「なつかしの人形」が始まりました。昭和初期のキューピーや文化人形、昭和30年頃のミルク飲み人形、50年前の昭和42年に発売された初代のリカちゃんから昭和47年発売の2代目リカちゃん、次いで3代目・4代目と現代まで続きます。さらに「美智子さまきせかえ」や「メイコ着せ替え」などの着せ替え遊びも。子ども時代に遊んだ懐かしい人形たちとの出合いに、皆さん喜ばれ、大いに盛り上がっています。これらの資料もいつの日か輝く日が来ると収集してきたものです。大勢からのご寄贈もあり、本当に充実したコレクションが形成できました。
■「雛人形」と「懐かしい人形」との出合いに、ぜひご来館ください。
■神戸のKIITOでの展示も先月22日から、春の企画展「世界の国の人形たち」と「雛飾りと端午の節句飾り」が始まりました。世界の人形は、アジア・オセアニア・中近東・アフリカ・南北アメリカ・ヨーロッパと民族色豊かな人形たち250点が並び、雛飾りと端午の節句飾りは明治末期から大正時代にかけて神戸の資産家の家庭で飾られた御殿飾りや段飾り雛、それに大正時代に神戸・北野町の家庭で飾られた大型で豪華な端午の節句飾りです。いずれも当館が寄贈を受け大切に保存していたもので、初めての里帰り展です。神戸でこれほどの貴重な資料が一堂に展示されるのは初めてです。ぜひ一人でも多くの方にご覧いただきたいと願っています。
(館長・井上重義)
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