日本玩具博物館 - Japan Toy Musuem -

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学芸室から 2012.12.23

プロヴァンス自然史博物館「JAPON~la passion des insectes~」オープン!

クリスマス寒波到来だとか、冷え込みの厳しい日が続いております。皆様には風邪など召されていませんか。お伺い申し上げます。
クリスマスをのぞむ連休とあって、冬の特別展「世界と日本のクリスマス展」もいよいよ佳境を迎えました。今日は、午前11時からと13時30分からの2回、クリスマス絵本の朗読会を開き、また14時からは展示解説会を催して、来場者の方々とともに暖かいときを過ごしました。物語を囲み、クリスマスの香りを囲み、そしてキャンドルの火を囲んで……。24日もまた同じ時間に絵本朗読会を予定しておりますので、ぜひ、ご家族お揃いでお出かけ下さいませ。

さて、<ブログ「学芸室から」2012年9月22日>で少しご紹介いたしましたが、今冬より来秋にかけ、プロヴァンス自然史博物館において、特別企画展「JAPON~la passion des insectes~(日本~昆虫への情熱~)」が開催されます。

プロヴァンス自然史博物館「JAPON~la passion des insectes~(虫愛でる国、日本)」のポスター

この度、この展覧会のため、日本玩具博物館が所蔵する虫かごや、昆虫に関わる玩具や人形、造形物のいくつかを出展協力いたしました。10月下旬に先方の担当学芸員、グリス・シェイラン氏を迎え、打ち合わせによって出展する31点の資料を決定したのですが、会期オープンまでに日がないため、大急ぎで添付する資料(コンディションカード)をまとめ、厳重な梱包をほどこした上、11月12日、送付手配を行いました。

10月27日、プロヴァンス自然史博物館のシェイラン氏打ち合わせに来館

お送りした荷物の到着が予定より遅れ、展示作業に間に合うだろうか…と日々、心配しておりましたが、本日、シェイラン氏より、12月8日、日本人の昆虫好きを物語る興味深い「JAPON~la passion des insectes~」が無事オープンしたと画像入りでメールが届きました。私たちが自国の文化を表現するのと違い、興味深い展示に仕上がっている模様です。ご存知のように、プロヴァンスの人々は「蝉」を非常に愛し、蝉にまつわる造形物も多い地域柄。ちりめん細工古作品の中から「蝉の香袋」をはじめ、四季の動植物へ注ぐ我々日本人のまなざしを伝える資料も出品しています。

梱包の様子です。

プロヴァンス自然史博物館より展示の様子が届きました。

プロヴァンス地方は、クリスマスの“サントン人形(小さな聖人/キリスト降誕人形)”で有名です。今回の「世界と日本のクリスマス」展でも、プロヴァンスの「サントン」をいくつか展示しています。今頃、街はサントンを売るクリスマスマーケットで賑わい、クリスマス(=ノエル)の彩りに満たされていることでしょう。プロヴァンスは、クリスマス好きの皆さまだけでなく、美術愛好者にとって、食文化に興味を持たれる方々にとって、重要かつ魅力のある地域です。旅行でお訪ねされる方々には、ぜひ、プロヴァンス自然史博物館をご訪問ください。「JAPON」展の会期終了は2013年9月30日とかなり長丁場。南フランスの空気を少し緊張ぎみに呼吸しているかもしれない玩具博物館の資料たちにも会っていただきたく思います。こちらがホームページです。
http://www.museum-aix-en-provence.org/

<後記>
会期途中、急にご依頼を受けた図録の原稿作成などでも、本当にあたふたしましたが、本日、ユニークに編集された図録が送られてきました。表紙には甲冑に甲虫がデザインされています。中身を確認していくにつれ、展示を見届けたい気持ちが高まっています。

プロヴァンス自然史博物館「虫愛でる国、日本」展の図録

(学芸員・尾崎織女)

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