日本玩具博物館 - Japan Toy Musuem -

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学芸室から 2020.03.31

みなさんの好きなおもちゃ教えていただきました!

心地よい春風が館の庭を吹き抜けていますが、コロナウイルス感染症の感染拡大で日々深刻になる状況に、私も気持ちが落ち着かない日々を過ごしています。みなさまはお元気でいらっしゃいますでしょうか。

当館は現在感染症対策を講じつつ、開館しておりますが、みなさま一人一人の予防と感染拡大防止への意識でご来館賜りますようお願い申し上げます。開館・来館に際してのご案内

さて、先の企画展「平成おもちゃ文化史」は多くの方にご覧いただきました。 平成時代に子ども時代を過ごしていた・いる方、子育て真っ只中だった方、孫との思い出を懐かしむ方には、おもちゃとの再会もあり、また、時を超えて変わらない玩具や遊びの姿に会話が弾む様子も見受けられました。 そんな来館者のみなさんの様子から、玩具博物館で引き起こされおもちゃや遊びの思い出を教えていただけたらと思い 昨年5月から約半年間、「遊びの思い出教えてください(2019年5月18日学芸室から)」と題して、館内の休憩スペースに質問票を設置していました。

すると、、まだ小学校にもあがらない小さな子どもさんから、60代の方まで約150の回答をいただきました!回答くださったみなさん本当にありがとうございました。
分析とまでは難しいのですが^^;各世代ごとに特徴がみられるので、いくつか回答をあげながらご紹介したいと思います。


昭和30年代生まれ

高度経済成長期真っただ中に子ども時代を過ごした世代です。少ない回答の中でも同じ玩具や遊び方についての記述が目を引きます。当時駄菓子屋ブームの中で、ポンポン船は駄菓子屋さんでも売られていた人気玩具、 プラスチックやレンジという言葉からも流行や新素材への憧れなど、大きな玩具史と共通していて、興味深いです。


昭和40年代~昭和50年代生まれ

玩具や遊びの中に漫画ととともにテレビが定着し、ゲームに触れた最初の世代です。40年代生まれの方の回答が少なかったため、50年代の方と一緒にご紹介させていただきます。仮面ライダーやドラゴンボール、ガン消しなどやはりキャラクター玩具が人気です。
一方でトミカやレゴブロックやリカちゃん、シルバニアファミリーなど、現在もなお愛され続けて、遊び続けられている玩具もたくさんみられました。。


昭和60年代~平成初期生まれ

バブルが崩壊し、玩具の中にもいろいろな価値観の変化や登場し、玩具の種類も増えた世代です。 大流行したルービックキューブや、カードゲームの走りである遊戯王カード、ゲームボーイなど玩具史に欠かせないものもありながら、、人形遊びや乗り物玩具、なりきりごっこなど変わらない遊びの姿も伺えます。


平成10年代~平成20年代生まれ

一番多く回答してくれた今まさに子ども時代、思春期を迎えている世代。そして電子機器に囲まれ、それらを使いこなしていかなくてはならない世代でもあります。ゲームの回答ばかりかなと思いきや、リカちゃんやメルちゃんの人形遊びやままごと遊びなど、コマやベーゴマを取り上げている子や、当館のプレイコーナーでの出会いでコマや木製玩具を好きになってくれた子もいたり、伝承玩具の魅力も改めて感じます。

もう少し細かい世代での違いや玩具史との比較、地域差も出てくるとと面白いのではと思いますので、引き続き、質問票も設置したいと思います^^

「平成おもちゃ文化史」 は終了しましたが、現在は内容をリニューアルし、 明治から平成までの120年の玩具の歴史を辿る 1号館と2号館の新企画展「日本の近代玩具のあゆみⅠ日本の近代玩具のあゆみⅡ」の一部として平成の玩具文化もご紹介しています。
どの世代の方が来られても、自分が子どものときの思い出を呼び起こすような玩具と再会することができるのではないでしょうか。

どうぞくれぐれもみなさまもお身体を大事にお過ごしください。そして平穏な日々が戻り、気持ち晴れやかに多くの方が日本玩具博物館にいらしてくださる日を願っています。

(学芸員・原田悠里)

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