日本玩具博物館 - Japan Toy Musuem -

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学芸室から 2013.06.22

中国民間玩具展オープン!

日本玩具博物館は、昨春、中国民間玩具研究家・伊藤三朗さんから、氏が生涯をかけて築かれたコレクションの寄贈を受けました。その大半が文化大革命以降、中国各地で復興を果たした民間の美術工芸的な玩具や人形で、総数1000点に及びます(日本でいう「郷土玩具」は、中国では「民間玩具」と呼ばれます)。伊藤さんの偉大な仕事に敬意を表し、同時に、この素晴らしい世界を広く皆様にご紹介したいと本展を企画いたしました。

      

中国にも、わが国と同じように、移り変わる季節ごとに節句や祭礼があり、それにともなって季節感のある玩具が登場します。また地域ごとに身近な素材を使ってユニークな玩具が作られてきました。それらは、暮らしの中から生まれ育ってきたことで、人々の生活感情や価値観、美意識などをよく表現しています。

そうして何世代にもわたって愛されてきた民間玩具も、1966年から約10年間にわたって中国全土を吹き荒れた文化大革命とその後の混乱によって壊滅的な打撃を受けたといいます。けれど、河南省の“泥泥狗”における土俗的な味わい、陝西省の“布老虎”の愛らしさ、山東省の“棒棒人”の素朴さ、北京の“風筝”の麗さ……、伊藤コレクションの民間玩具をみると、文化破壊によって荒廃した土地に、1980年代、再び、地方文化を育て、花を咲かせた中国の人々の不屈の精神と民間玩具のもつ生命力に圧倒されます。

河南省の“泥泥狗”と山東省の“棒棒人”

  

当館には、日中戦争以前に尾崎清次氏(1893~1979)が収集された古い時代の中国玩具、約300点のコレクションがあり、また、中国民間美術研究の第一人者・李寸松氏(1927~2011)のご協力を得るなどして、当館が独自に収集した資料、約300点を所蔵しています。本展では、伊藤コレクションにこれらを合わせて、中国民間玩具の特徴を種類別、季節別、地域別、素材別に概観します。また、日中両国の玩具文化のつながりについても探りたいと考えています。

尾崎清次コレクションの戦前の中国民間玩具~吉林省の“布老虎”と遼寧省の不倒娃々~

  

近代化とグローバリゼーションによって物づくりの世界が“民族性”を喪失していく今、中国民間玩具を通して、国や地域、民族固有の生活文化の素晴らしさを見つめ直してみたいと考えます。

西室の展示風景
東室の展示風景

  

日本玩具博物館*夏秋の特別展「中国の民間玩具」
後援 中華人民共和国駐日本国大使館文化部・公益社団法人日本中国友好協会会期  2013年6月22日(土) → 10月15日(火)

心をこめて準備をいたしました。どうぞこの機会に中国庶民が育んできた豊かなおもちゃの世界に親しんでいただきたいと思います。 (尾崎織女)

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