デジタルコレクション・5「世界の動物玩具」 | 日本玩具博物館

日本玩具博物館 - Japan Toy Musuem -

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企画展

日本玩具博物館*開館50周年記念* デジタルコレクション・5「世界の動物玩具」

会期
2024年11月10日(日)
会場
日本玩具博物館ホームページ WEB企画

どこの国でも、いつの時代でも、人々は動物に対して限りない愛着を抱いてきました。古くから身近にいる動物、ある時代に渡来した珍しい動物、空想上の動物……、人々は、そのそれぞれに美しさ、強さ、勇猛果敢さ、愛らしさなどを見出し、また、神秘性、守護、親愛、多産など、動物たちの性質に応じたイメージを与えて、数々の造形を生み出してきました。

そして、動物を題材とする玩具は、子どもたちの動物に対する興味や愛情の深さを反映して、遠い昔から世界中で作られてきました。たとえば、ペルシャのスサの遺跡からは、紀元前1100年頃に作られた「ヤマアラシ車」が見つかっていますし、エジプトでも「口をパクパクあけるワニ」が出土しています。その他、エジプトのライオン車(B.C.2000年頃)など、紀元前の動物玩具は、ヨーロッパ各地の博物館に所蔵されており、それらを通して、私たちは当時の造形を知ることが出来ます。

<紀元前1100年頃の動物玩具>『Children’s Toys of Bygone Days』by Karl Gröber, 1928より
スサ(古代ペルシャ)の遺跡から出土したライオン車・ヤマアラシ車ー石灰石製/高さ4.5cm程度/ルーブル美術館所蔵 古代エジプトの遺跡から出土した“顎を動かすワニ”―木製/高さ8.0cm程度/エジプト博物館(ベルリン)所蔵 古代エジプトの遺跡から出土した“顎を動かす虎”―木製/高さ4.7cm程度/大英博物館所蔵

そして興味深いことに、そうした玩具は、今、世界各地で作られている様々な動物玩具とほぼ同じ造形を示しています。イタリアのワニ車やアメリカのライオン車、中国やメキシコ、ロシアの土馬などがその例です。このことは、動物玩具がいかに長い時を人間とともに生き続けてきたかを示唆し、また、人間にとっての玩具の重要性を教えています。

1980年代のワニ車(紐を引くと台車に乗ったワニが顎をパクパク動かす)イタリア・セヴィ社製

当館は、8000点に及ぶ世界の動物玩具コレクションを有しています。11月公開の「デジタルコレクション・5」では、そのなかから35件の動物玩具を取り上げ、世界各地の特色のある動物玩具の表情を紹介します。
人々の暮らしの中から誕生し、各地の宗教の思想を基盤にして作られ続けてきた玩具は、民族の美意識や価値観までも語ってくれます。どうぞお手元でお楽しみください。

ぜひ、下記をクリックしてご覧ください。


当館では、2022年度より2年にわたって文化庁のInnovate MUSEUM事業の採択を受け、この事業の眼目のひとつである博物館資料のデジタルアーカイブ化に取り組んできました。内部資料として登録を済ませたデータベースより、テーマごとに20~40件ほどを選んで、日本玩具博物館*開館50周年記念*デジタルコレクションとして、各月10日に公開しています。

2024年7月「戦前(1930年代前半)の琉球玩具」
2024年8月①「世界のままごと道具」
2024年8月②「動きや音の楽しい郷土玩具(動画)」
2024年9月「1920年代後半の朝鮮玩具」
2024年10月「世界の仮面」
日本玩具博物館*開館50周年記念* デジタルコレクション