デジタルコレクション・14「兵庫県に伝承される七夕紙衣・生野の七夕さん」 | 日本玩具博物館

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企画展

WEB企画展 デジタルコレクション・14「兵庫県に伝承される七夕紙衣・生野の七夕さん」

会期
2026年7月16日(木)
会場
日本玩具博物館ホームページ

兵庫県を南北に流れる市川の下流域東岸、姫路市妻鹿から高砂市曽根町にかけて、かつて塩業で栄えた地域の七夕には、長方形の千代紙を二つ折りにして袖を切り出し、三角形の頭を切り残した紙衣「七夕さんの着物」が飾られます。専門に作って売る店もあり、今も、初七夕を迎える子どもが一生、着物に困らぬようにと親類や縁者がこれを贈って祝います。七夕の祝いは月遅れの8月7日。前日に準備された二本の笹飾りに細竹を渡すと、そこに幾枚もの紙衣をずらりとかけ並べて一夜、天の二星を拝します。


銀山で栄えた朝来市生野町にも、「七夕さん」の名で、美しい紙の着物が伝わっています。生野町は、播磨地域と但馬地域を結ぶ山間部に位置しており、播磨灘へ向かって流れる市川と日本海へ向かって流れる円山川の源流域にあります。生野銀山の開坑は、大同2(807)年とも伝えられ、江戸時代は幕府の直轄地であり、明治時代には官営鉱山となって日本の近代化を下支えしました。——海外の技術者が住み、中央の文化が流入した生野は、山間部にありながら、先進的な町でもありました。そんな生野町にも、二本の笹飾りの間に苧殻(皮を剥いた麻の茎)を渡し、数対の「七夕さん」を飾る播磨灘東岸域とよく似た構図の七夕飾りが伝承されています。生野町の七夕飾りは昭和時代後期には退潮しましたが、平成10年代、町の方々のご努力によって復活を果たされています。今年も、7月の第一土曜日、日曜日にかけてクラシックな町家や文化施設において伝承の七夕祭りが行われました。

江戸時代の日本には天の織姫に小袖を捧げて裁縫の上達を願う“貸し小袖”の風習がありました。姫路や生野の紙衣(七夕さんの着物)は、近世の七夕文化を受け継ぐものと考えられます。

今夏は、開催中の特別展「ふるさとの節句人形~上巳・端午・七夕~」に合わせ、また、地元の方々からのご要望にお応えして、当館が所蔵する七夕人形コレクションのなかから、今月は「生野の七夕さん」をお楽しみください。ブログ「学芸室から」では、「聞き書き「生野の七夕」~2003年から2006年の聞き取りノートより~」として、戦前戦後の生野七夕の様子をご案内していますので、合わせてご一読ください。


当館では、2022年度より2年にわたって文化庁のInnovate MUSEUM事業の採択を受け、この事業の眼目のひとつである博物館資料のデジタルアーカイブ化に取り組んできました。内部資料として登録を済ませたデータベースより、テーマごとに20~40件ほどを選んで、日本玩具博物館*開館50周年記念*デジタルコレクションとして公開しています。

2024年7月「戦前(1930年代前半)の琉球玩具」
2024年8月①「世界のままごと道具」
2024年8月②「動きや音の楽しい郷土玩具(動画)」
2024年9月「1920年代後半の朝鮮玩具」
2024年10月「世界の仮面」
2024年11月「世界の動物玩具」
2024年12月「世界のクリスマス人形」
2025年1月「日本の郷土凧・東日本」
2025年2月「日本の郷土凧・西日本」
2025年3月「日本近代のままごと道具」
日本玩具博物館*開館50周年記念* デジタルコレクション