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学芸室から 2021.12.12

手作りのクリスマスオーナメント*その5―スウェーデンの「毛糸細工のトムテ」

当館では、毎冬、クリスマス展に合わせて、世界の伝統的なクリスマスオーナメントをとりあげ、その国のクリスマスに思いをはせつつ、製作して、皆でツリーを飾り付けるワークショップを開催してきました。この催事をお待ちくださる方も多くおられるのですが、昨年より、新型コロナウィルス感染症の拡大防止措置として、多人数が集う催しを休止しております。そこで、このブログを通して、家庭で手作りを楽しんでいただこうと思い、昨冬は、「手作りのクリスマスオーナメント」として4種類をご紹介したところ、大変、好評をいただきました。

手作りのクリスマスオーナメント・その1「木の実を使って」→ こちら
手作りのクリスマスオーナメント・その2「スパイスクッキー」→ こちら
手作りのクリスマスオーナメント・その3「麦わら細工・光をいただく天使」→ こちら
手作りのクリスマスオーナメント・その4「麦わら細工のモビール」→ こちら

今冬も、入手しやすい材料で作れるオーナメント「毛糸細工のトムテ」をご紹介します。

毛糸細工のトムテ

北欧の国々では、遠い昔から、各家の屋根裏部屋の隅に小さな妖精(小人)が住んでいて、何百年にも亘って、その家と家族を見守り続けていると信じられてきました。スウェーデンでは「トムテ」、フィンランドでは「トントゥ」、ノルウェーやデンマークでは「ニッセ」と呼ばれて、今も人々に愛されています。
クリスマスの前の晩、人々は、小さな妖精たちの日ごろの恵みに感謝を込めて、ひと皿のミルク粥(かゆ)を捧げます。妖精たちは家人からのクリスマスプレゼントのお返しに森のりんごやクルミなどを戸口にコトンと落としていくと伝えられます。
北欧のクリスマス「ユール」に思いをはせながら、毛糸とフェルト布、ウッドビーズで小さな妖精・トムテのオーナメントを作ります。

材料・・・ウッドビーズ(16mm/3mm)・毛糸(赤あるいは灰色)・フェルト布(赤)・
      白い綿・木綿糸・爪楊枝
道具・・・油性の細マジック・木工用ボンド・縫い針・ハサミ

作り方
❶10㎝幅の厚紙などに40回程度、毛糸を巻き取ります。この時、きれいに糸が並ぶように注意しましょう。
❷巻き取った毛糸を厚紙から抜き取って、輪の一か所に毛糸をかけて、しっかりとしばります。この時、しばった毛糸を残しておきます。
❸ウッドビーズの穴にしばった毛糸を通し、頭部と胴部を合体させます。結び目に爪楊枝をさしてストッパーとします。


❹10㎝幅の厚紙などに20回程度、毛糸を巻き取って袖を作ります。袖を胴部の中に通してウェストを糸でしっかりしばります。
❺両方の袖先を糸でしばって手をつくります。
❻ウェストの下部の毛糸を二つに分けてズボンと足をつくります。

❼フェルト布で帽子を縫います。――高4㎝、下辺7㎝のフェルト布を用意し、ミシンで斜めに縫って帽子型をつくります。手縫いのときは半返し縫いで細かく!
❽トムテの額まわりに木工用ボンドを塗り、赤い帽子を接着します。

❾あごひげ用の白い綿をつけ、帽子の先に糸を通し、ツリー飾りの「小さな妖精・トムテ」を完成させます。

❿トムテの大きな鼻に見立てて、小さなウッドビーズを接着すると、より表情豊かに仕上がります。ぜひ、ご家族で手作りして、プレゼントにつけたり、クリスマスツリーを飾ったりしてお楽しみください。

ちなみにこのトムテは、2018年のワークショップで「北欧の妖精」として取り上げており、また、2016年のクリスマスにご紹介した「ノルウェーのニッセ」とも作り方は共通しています。

(学芸員・尾崎織女)

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